2015年ライブ参戦振り返り -Babymetalから、渡ったルビコン。そしてその先にあった Next One「Phantom Excaliver」
2015年はとにかく、ライブによく行った年でした。それもこれも、2014年3月のBABYMETAL武道館公演Day1「巨大コルセット祭り」にて、奇跡を目撃して以来、完全に自分の中のDNAの一部が目覚めてしまったのが理由であることは言うまでもありません。
昨年までも、大体2ヶ月に一度のペースでメタルのライブに行っていたのですが、それに加えて、BABYMETALが国内で行うライブには基本参加。さらに、その先のルビコン川を渡ったところにあった、さくら学院。そして、そのルーツである。可憐ガールズ元メンバー、そしてさくら学院初代生徒会長、武藤彩未。そして、我らが女神、Su-METALの姉君、ひめたんこと、中元日芽香が所属する乃木坂46まで。もちろん、BABYMETALフォロワーの1つである、去年愛媛に旅行した時には目向きもしなかった、ひめキュンフルーツ缶の派生ユニット「Fruits Posshett」がLoudparkのトップバッターを張ることが発表はれると狂気乱舞してしまいました。最近は、「ある意味音の多さが、メタルだ。」とわけのわからない解釈で、でんぱ組.inc.にハマり、もはや、自分の中のメタルの定義はまるで、膨張し続けるバブル経済のように破綻寸前です。
元々、モーニング娘。にハマった過去もあり、アイドルに対する免疫はあるとは言え、人生においてこんなに真剣に、エンターテイメントとしてのアイドルに向き合ったのは、今年が始めてだったと言えるでしょう。
最近、同じくベビメタフォロワーであるLADYBABYにハマり、年末のデスラビッツとの対バンに行ってしまい、ルビコンの深くて暗い底なしの世界を見てしまった友人を見て心配していた私でしたが、恐らく、同じように、今年の私は、恐らく多くの関係者の皆様を心配させてしまったのだと思います。
しかしながら、これだけハマってみて思うのは、日本のアイドルカルチャーというのは、世界にも類を見ない、そして世界ではなかなか真似することのできない完成された貴重なエンターテイメントのコンテンツであるということ。そして、もはや情報というものにおいては国境のない現代では、これらを有効に使うことで、新しい価値観を世界に作ることができる一要素であると感じます。
常々、世界で戦うということは、圧倒的な唯一無二であることが必要であると感じます。何についてもそうですが、それは外を見て探すのではなく、自らと向き合い、その内にあるものを引き出さなければなりません。そして、これを世界に通じるような共通言語に乗せて、わかりやすく伝える。良く日本で評価されているけれど、世界で通用しないものを目にしますが、これは伝えるという事が欠けているからだと感じます。
BABYMETALは、日本独自のKAWAIIアイドルカルチャーを武器に、メタルという共通言語に乗せて、世界と戦いました。そして、この武器は圧倒的に分かりやすく、唯一無二でした。ちなみに、良く「BABYMETALは何故日本語で歌っているのに世界に通用するのか?」と聞かれますが、それは言語そのものとして、「メタル」「ダンス」というものを用い、「言葉」というものを重視しなかったからだと感じます。
そもそもメタルファンにとって「言葉」はそれほど大事なものでは、ありません。メタルに良くある、勇猛、攻撃的、ダークな歌詞は世界観を構成する要素としては必要ではあるものの、その歌詞への共感などは多くのファンにとって大事ではありません。
しかし、その代わり、BABYMETALは共通言語である「メタル」を徹底的に追求しました。神バンドのテクニカルな優れた演奏はもちろん、楽曲のところどころに忍ばされた過去の名曲へのオマージュ。メタルのユニフォームとも言われる黒Tシャツ。そして、BIG4を始めとしたメタルのレジェンドと言われるアーティスト達と一緒に撮った写真。これらにより、メタルファンはこう感じます。
「こいつら、本気でメタルやろうとしてるな。」
MCがなくても、彼女たちのライブに多くのファンが熱狂し、その場で心を完全に持って行かれるのは、この徹底した共通言語の追求こそが、彼女達が世界で戦える重要な要素であることは間違いありません。
ところで、今年の年末に、1つのバンドと出会いました。
Phantom Excaliver
まだ学生バンドからプロのミュージシャンになり始めたての4人組の、「メロディックスピードデスメタル」という、「あれ?もともとこのジャンルあったよね。」と思わせる「新しいジャンルを作っている」と言っているバンドですが、私にとって、久々に心を躍らされるバンドでした。
「金髪デブ」という表現しかできない逆立てた金髪のボーカルが、おもちゃの聖剣を振り回す様子は、もちろん一見コミックバンド以外の何物でもありませんし、腹を叩きながら客を煽る姿は笑えます(本人達は至って真剣)。しかし、ライブを通して、こんなにもほとばしるメタル愛をパフォーマンスの中に入れ込むミュージシャンを見たのは始めてでした。そして、それはそのまま「共通言語」であり、もちろん、音楽的にも素晴らしく、演奏も完璧。年末のライブを見た私は、「このバンド、もしかすると、もしかするかもしれないぞ」と思いました。
BABYMETALが流行って、これからも彼女はのフォロワーは出てくるでしょう。しかし、フォロワーはどこまでもフォロワーで本家を越えられないのは時代の常です。
そういう中で、圧倒的なメタル愛という共通言語と、少年マンガから出てきたようなキャラクターのPhantom Excaliverという、まだまだ荒削りな若者達に1つの可能性を感じ、やっぱりメタルは面白いと感じた2015年でした。
私は、来年も再来年も、恐らく死ぬまでメタルを聞き続けることでしょう。そして、来年もまた、面白い、世界を変えるような若者達に出会えることを祈って。
Stay METAL!
2015ライブ参戦歴
1/9 Europe (「Wings Of Tomorrow」完全再現)@クラブチッタ川崎
1/10 Babymetal (「Legend “2015” 新春キツネ祭り」)@さいたまスーパーアリーナ
2/15 Motley Crue (Final Tour) @さいたまスーパーアリーナ
3/18 Perfume @SXSW, Austin ,TX
4/17 The crown (Extreme death fest) @渋谷 Duo Music Exchange
5/15 baby metal Live at O2 Academy 世界最速プレミアム上映会 @新宿ピカデリー
6/21 Babymetal (World Tour 2015〜巨大天下一メタル武道会〜)@幕張メッセ
8/15 サマーソニック2015 @幕張メッセ
8/21 Babymetal (Apocrypha -The black mass 2 黒ミサ) @新木場STUDIO COAST
10/8 Babymetal (World Tour 2015 IN JAPAN) @Zepp Nagoya
10/10,11 LOUDPARK15 @さいたまスーパーアリーナ
12/12 Babymetal (World Tour 2015 in Japan -The Final Chapter of Trilogy-) @横浜アリーナ
12/28 COUNTDOWN JAPAN 1516 @幕張メッセ